20キロになった洞爺湖マラソンで感じたこと
今年は残念ながら夫の仕事の都合で前日からのキャンプはなし。当日の早朝出発で受付開始7時には会場到着。
家を出るときは霧か雨か・・・どよ~んとしていた空気が、洞爺湖に近づくにつれだんだんと明るい空になっていったのが救いだった。
さて、受付はと歩いていると、気になるアナウンスが耳に入った。
崖崩れ?20キロ?ん??
他の参加ランナーさんのブログでみなさんご存知の通り、大雨のせいでコースの途中が崖崩れを起こしたのだった。(この場所ってしょっちゅう崖崩れ起こして工事しているような気がするな。)
受付を済ませナンバーをもらい、フルマラソン仕様に用意した補給食、その他もろもろがいらないことに気がついた。昨日の夜からたくさん食べたのもう~ん今となってはお腹が重いだけ。
この大会に自己ベストを狙って調整してきた人。休暇を取り、遠くから遠征して北の大地で春のフルマラソンを走ることを楽しみしていた人。もしかしたらこれがはじめてのフルマラソンという人がいたかもしれない。様々な事情が渦巻く大会会場だ。
そんな時の反応はみなそれぞれ個性的。一つの事態にがおこった時、どんな行動に出るのか、どんな事を話すのか。本当にみんなそれぞれ。
みんな家を出るまでは、いや洞爺湖の宿泊先を出るまでは、今日のフルマラソンの走り方についてだけ考えていたはず。突然の事態に大ブーイングとなっても不思議じゃない状況だった。
でも、参加者の反応は全然違っていた。もちろん全員の様子を知らないし、あくまで私の周辺の事だけですが。
スタート場所では、来年のレースの事、次のレースの事、20キロになったこのレースをどんな風に走るかという事、そんな話題のみ。ブーイングなしだったと思う。案外穏やかな雰囲気。
スタート時に改めて20キロレースですと言うアナウンスもなかったので、最初の短い折り返しを終えて温泉街に戻り、応援の知人から20キロだよと言われて初めて事の成り行きがわかった人もあり。(その人は、その後急速にスピードアップ。たぶんハーフモードに切り替えたんだろうね)
私は、あくまでフルマラソンのペースで20キロ走ろうと、ほぼキロ4’55”~5'00”で走っていた。(お決まりの大休憩は一回含む)
天気はだんだん回復してきて、青空も覗く。葉っぱのなかにまだ花びらが残っている桜の木も多数。前半は風も感じず、絶好のマラソン日和。20キロしか走れないのがちょっと残念だけど。
ハーフペースでがんがん走ってる人。あくまでマイペースで楽しんでいる人。それぞれだ。胸の内はわからないけれど、ほとんど皆がこの不測の事態を受け入れていたと思う。
あっという間に20キロ終了。バナナを一切れもらって、とりあえずバス待ちの列に並んだけれど、用意されているバスの台数と待っている人数を考えたら走って帰ったほうが早いことに気がついて、食べ過ぎたエネルギーを消費すべくスタート地点に向け13キロのjog。
いつものレースとは逆方向に同じように考えている人々が、黙々と走っている。知り合いにも大勢会って、なんだか楽しいぞ。
すっかり晴れ上がった空に残雪の羊蹄山が見える。桜の花びらが舞い散る中気持ちよくjog。ペース走で20キロ走れたし、帰りはのんびりjogも楽しめたし。それって幸せな事なんだって思った人が多かったと思う。
311以後だから、余計に走れる幸せをかみ締められるようになったのかもしれない。
「しょうがないですね。」と何の過不足もなく事実を受け止めて坦々としていた人。
復路でバスに乗らずにjogしながら、「ある意味これは記念に残る大会になりましたよ」とうれしそうに話しながら走っていた人。
「なんだかこの雰囲気もいいよね~」とあくまで前向きにエンジョイしている人。
いい人にばっかり会った一日だったように思う。
昨日、つぶやいたこと↑
さあ、仕切りなおしだ。でも、私、次は暑い北海道マラソンなんだけど~。
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