ニューヨークの秋
先日のエントリーで書いた村上春樹氏の新刊「走る事について語るときに僕の語ること」。
一回目はとにかく早く読みたくてざ~っと読んだけれど、ただいま2回目を熟読中。読み進むうちに、う~む、
ふ~むと自分のこれから残された人生(たぶんあと3分の1くらい)を考えてしまう。
(写真は2004年のゴール直後の様子)
本の中の第7章「ニューヨークの秋」は、彼の自宅であるマサチューセッツ州ケンブリッジで書かれたものだ。
ちょうど2005年のNYCマラソン1週間前の練習の様子や心境が綴られている。
彼は、マラソンを走るためにNYの街を訪れると、ヴァーノンデューク作曲のバラード「ニューヨークの秋(Autumn in
Newyork)」を思い出すと書いている。
P182からの引用
11月のニューヨークは実に魅力的な街だ。空気は意を決したかのようにきりっと澄みわたり、セントラル・ パークの樹木は黄金色に染まり始めている。空はあくまで高く、高層ビルのガラスが太陽の光を豪勢に反射させている。 ブロックからブロックへと、限りなくどこまでも歩いていけそうな気がする。バーグドーフ・ グッドマンのウィンドウには上品なカシミアのコートが飾られ、街角にはプレッツェルを焼く香ばしい匂いが漂っている。
レースの当日、僕はニューヨークの秋を、その「蠱或(こわく)の光景」を、 自分の脚で駆け抜けながら心ゆくまで味わうことができるのだろうか?それともそんな余裕なんてどこにも見当たらない、 ということになるのだろうか?もちろん走ってみなくてはわからない。それがマラソン・レースなのだ。
10年前の1997年11月2日、私は初めてNYCマラソンを走った。私の41歳の誕生日の翌日の事だった。
スタートまではなんとか降らずに我慢していた空模様も、途中から豪雨となり、マンハッタンの1st.Ave.では、雷まで鳴り出す始末。
雷の音に負けないように自分も叫びながら走っていた。
全身ずぶぬれになりながらも不思議と辛さを感じることもなく、
ずっしりと重くなっていったTシャツの裾を絞りながらゴールを目指したのを覚えている。
そして雨は、ゴール間近のセントラルパークに入った頃には止んでいた。ゴールした私の目には、黄金色に輝く木々と虹が飛び込んできた。
あの虹の光景は今でも目をつぶるとはっきりと思い出すことができる。
あれからもう10年経ったなんて・・・。
ニューヨークの秋は、
本当に美しい。そんな良い季節にNYCマラソンが開催されます。
11月の第一週目の日曜日。今年はどんなドラマがあるのでしょうか?
あの人や、この人が今年も走るNYCマラソンは、11月4日
(現地時間)です。
Have a good time!
彼がいうように、「マラソン・レースは楽しんでこそ意味がある」と思います。
ニューヨークの秋を満喫してきてください。
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