28年を振り返る
先日、広報に掲載された記事の中に、走り始めて28年だという事を書いていたのをNAOJIさんに指摘された。
たしかに20歳の時にひょんなきっかけからランニングを始めて、今までず~っと続けてこられたのは、
飽きっぽい私にとってはとても不思議な事だった。
30年を迎えるときは自分の年齢も50歳代の大台に乗ると思うとなんだか複雑な心境だ。
この機会に28年間を少し振り返ってみようと思う。人生の節目にランニングありというのもちょっと大げさだけれど、
ランニングなしでは語れないようだ。
○20歳 初めて大会に出る。
PARCO(パルコ)が主催のレディースの大会で、
札幌の円山公園がスタート地点で旭山公園付近までの往復の結構タフなコースだったと記憶している。
隠しタイムに一番近い人が優勝という趣旨の大会で、距離は5キロくらいだったと思う。無料でおみやげがついて、
なんだか楽しいといいことづくめ。あまり苦しかった記憶はない。高校の時のマラソン大会では結構いい成績だったから、
長い距離を走るということに抵抗はあまりなかったのだろう。思えば高校1年の時に、難病にかかってしまい、運動らしい運動はしていなかった。
食べても太らない体質だとこの頃は思っていたものだ。でも、かけっこだけは嫌いじゃなかった。
1976年、1977年とニューヨークシティマラソンでゴーマン・美智子さんが優勝したちょうど女子マラソンの始まりの頃の事だった。
○20歳~29歳 5キロ~10キロのレースに参加
この後、化粧品会社のエイボンがレディスの大会を開催したり、他にもレディスのランニングの大会が開催されるようになった。
まだ参加料もとても安いかあるいは無料で距離も5キロ、10キロが中心だったけれど、
おみやげのTシャツなどがうれしくて毎回参加したものだった。
もちろん札幌マラソンなどの大会にも参加するようになり、大勢の中で声援を受けながら走ることの気持ちよさに病みつきになったのだ。練習は、
ほとんどなしでぶっつけ本番のようなもの。大会前に、家の近くを5キロ程度のジョギングをするくらいのものだった。
26歳のときに結婚。結婚しても走ることは続けていた。
そのうちにテレビで、ホノルルマラソンに芸能人が挑戦する番組が放映されるようになり、
ミーハーな私はいつかあんな風に走ってみたいな~と思い始めた。
そしてあの「郷ひろみ」がホノルルマラソンを完走したのを見て、「よし!わたしも!」と気持ちが固まった。
○30歳 ホノルルマラソンで初フル完走 この年に愛猫「こうめ」が我が家にやってきた。
まずは一緒に行く事になった会社の同僚と共に、上司に休暇を申請。それはたしか半年以上も前の事だった。
12月の忙しい時期だったので難航するかなと思ったけれど、マラソンを走りに行くということがどうやら「あんたはえらい!」
という事になったようで、すんなりクリア。あとは12月の大会に向って練習をするだけだ。
練習を兼ねた10月の札幌マラソンの10キロのレースに出場したが、なんと2キロか3キロほど走ったところで、膝がビリッ。
靭帯を痛めてしまった。その後は、大事をとって一切走らず。不安のまま出発となった。
フルマラソンを走るというのに、それまでの最長走行距離が10キロ。今考えるとよく行ったものだ。
膝をだましだまし、42キロをなんとか走りきって5時間53分21秒。苦しい練習もなしで参加の初フルだったので、不思議と感動はなかった。
○30歳~39歳 ハーフマラソンは走れるぞ。
痛めた膝が再発しないように、筋トレを一生懸命やって、不安はほぼなくなった。
そしてジョギングだけでなく時々はビルドアップやインターバルなどの練習もするようになった。
そして、札幌マラソンや千歳日航マラソンで、ハーフを走ることはできるという自信はついた。
○40歳 再びフルマラソンに挑戦
30歳でフルを初めて走って10年、もう一度フルを走ってみたいと思うようになった。そしてその年に再びシングルになった。
一人で暮らし始めて1週間後に千歳日航マラソンのフルが控えていた。あまり練習をしていなかったし、
気分的にも乗らなくてどうしようかと直前まで悩んでいたが、結局当日の朝は、ランニングシューズを持って会場に向っていた。
10年ぶりのフルマラソンの結果は、4時間41分58秒(ネット)。ボロボロだった。
家に帰って何も食べる気力もなく倒れこむように眠ってしまった記憶がある。
この後の10月10日、@niftyのFRUNが誕生。待ってましたとばかり入会したのだった。
一人になったということもあってこれが私のランニング人生の大きな転機だった。FRUNのメンバーの情報でNYCマラソンの事を知った。
そして翌年の2月、NYに一人で旅行に行き、当時NYに住んでいた「NYの亀さん(現 らくださん)」
と会ってNYCマラソンの素晴らしさなどを教えてもらった。この時は、当日エントリーOKのValentine 5Kという大会に参加し、
セントラルパークを走った。
○41歳~44歳 充実したランニングライフ
結局97年から99年まで3回のNYCマラソンを走り、その間99年の北海道マラソンも当時の自己ベストで完走。
99年のNYCマラソンで出した記録で2000年のボストンマラソンにも参加する事ができた。
そして2000年のサロマ湖100キロマラソンも、12時間27分10秒で完走。
このほか98年にはFRUNの仲間とチームを組んで参加した富士北麓24時間リレーマラソンにも参加するなど、
ランニングが中心の生活だった。
もう一つの転機は、22年間勤務していた会社を退職した事だった。残り半分の自分の人生を違った風に生きてみたくて取った選択だった。
○45歳~47歳
新しい仕事の忙しさなどで、思うように走れなくなり、参加するレースも数えるほど。
北海道マラソンもエントリーはしたものの完走は最初からあきらめていたような状態だった。
1年余りは「うつ」になってしまって通院して薬を飲むようにもなってしまった。
時々思い出したように練習をするものの体調の悪さから思うように走れず自分でも歯がゆい思いをした。
そして、46歳の時に再婚して今の町に転居。幸いにもうつからは解放されたものの、慣れない町での新生活に思ったような練習はできず。
運動不足のため体重もうなぎのぼり。そして今度は30歳の時から私と苦楽をともにしてきた愛猫「こうめ」
が老化のためかどんどん弱っていき走るのもままならない状態になってしまった。たまに気分転換にと外へ走りに出ても、どうしても「こうめ」
の事が気になってしかたがない。
これもつらい日々だった。そして2003年の夏にこうめは17歳で大往生。
2003年の北海道マラソンはその直後の事で走ることもできなかった。
○48歳 ランナー復活へ
2004年の正月から心機一転。ランナーとしてもう一度ちゃんと練習してフルマラソンを走りたい。
できれば北海道マラソンを完走したいという夢を持って練習を再開した。
昨年一年については、この間まとめをした通り。お陰さまで体重も減らす事ができて、北海道マラソンも自己ベストで完走できた。
そしておまけのようについてきた4回目のNYCマラソン挑戦。
ランナーこうめは復活することができたのだった。
こうやって振り返ってみると、まあいろんなことがあったけど、走ることで、考えをまとめたり解決策が見つかったりと、「ランニング」
と私は切っても切り離せないものになったようだ。
残念ながら、今まで走った大会の記録や練習の記録を取っていない。
だから一体どれくらいの距離を走ったのかいくつのレースに出たのか正確なことはわからない。
でもいつも思うことは、走っていて良かったなということだ。
28年をまとめると、こんなに長くなってしまった。
もし最後まで読んでくださった方がいらっしゃったら感謝します。
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Comments
こうめさんこんにちは。
私も色々ありましたが、人生山あり谷あり何時も楽しいことばかりではありませんよね。生きていて、やりたい仕事や趣味で生きがいを感じられれば幸せなことです。私の場合はこうめさんの28年の1/3の9年ほどしかランニング歴がないですがランニングは今となっては、自分の存在感を感じる唯一のスポーツとなっております。これからもランニングというものを通して生きがいを感じ、やがて引退する頃に、「あー俺は幸せだったなぁ」と思いたいですね。
Posted by: akkun | 2005.01.05 22:29
こうめさん、明けましておめでとうございます。
記事を読ませていただいて、いつも元気な感じのこうめさんにもいろいろなことがあったんだな~と思います。
人生をマラソンにたとえることはよく言われますが、本当に辛い時期も、何もかも投げ出したくなるようなこともあるけど、ゴールは笑顔で迎えたいですよね。沿道の声援や、ボランティアの人のように、自分の周りのいろいろな人たちに支えられているのも、そうですよね。
私自身もラン歴自体は、こうめさんの1/3ほどしかありませんが、ランを通してこうしていろいろな方と知り合うことができたし、ランを通して日々の生活にも張り合いが持てることを、本当にありがたく思っています。
今年もよろしくお願いします。今年は生こうめさんに会えるといいな~。
Posted by: まりも | 2005.01.05 22:42
最後まで読ませていただきました。
明るいこうめさんには似合わないことも、いろいろあったんですね。
でもそれらを乗り越え、心機一転。ランナーとしても見事に復活。走ることがこうめさんの生活と切っても切れないものでありつづけ、これからもそれは変わらないだろうということが、良く分かりました。
これからのランニングライフのごくごく一部には、僕もおつきあいできるかもしれません。え、迷惑だ? あ、「くりやま」は別ですからね!
Posted by: navi | 2005.01.05 22:53
こうめさん、おはようございます。
いやあ~まさに人生山あり谷あり!
いつも明るいこうめさんにもいろいろ大変なことがあったんですね。
でも常にポジティブに(私もそうですが)過ごしていけば何とかなりますよね。
naviさん、ウルトラも何とかなるもんですよ(笑)
Posted by: Kuri | 2005.01.06 06:51
みなさん、ありがとうございます。
走ることで友達の輪も広がるし、生活にも張りができる。だから楽しいのかもしれないですね。
ランニングがなかったら、こんなに全国に大勢の友達もできなかったと思います。
今年も張り切って走るぞ~。
naviさん、迷惑だなんて・・。くりやま、どう?どう?ユンニの湯の近くだし。
Posted by: こうめ | 2005.01.06 06:53
Kuriさん。
私のは、山だの谷だのにはならないくらいのもんですよ。なんとかならない事柄はありませんよね。
そうか、ウルトラも?じゃ、naviさん、やっぱり大丈夫みたい。
Posted by: こうめ | 2005.01.06 06:54
こうめさん、こんにちは。
できしこ改めrikoです。
こうめさんのマラソン人生・・圧倒です。
私は・・・
今日から走り始めました。
とはいえ、まだ、競歩か?って自分でツッコミ入れたくなる位のスピードです。
ここには沢山のランナーの皆さんがいらっしゃるので、
初心者の私は色々お勉強させて頂けたら・・と思っています。
ど~ぞ、宜しくお願いします。m(_ ^)m
Posted by: riko | 2005.01.06 08:02
rikoさん、こんにちは。
ココログやってたんですね。
競歩のペースでもいいんじゃないのかな。最初から無理すると長続きしないし。
今年はフルやらウルトラやらに初挑戦かも?の↑に登場のnaviさんも去年の今頃はそんな距離走れるとは思っていなかった一人だと思います。
とりあえず楽しく走らなきゃ。
ココログのランニング仲間には、ユーザーカテゴリーで「ランニング」というのを作っていただくような営業中です。「ランニング」カテゴリーで書くと左のサイドバーにあるような「ココフラッシュ」のランニングにのっかります。一応、ココフラッシュランニングカテゴリー拡大営業担当なもので・・・よろしくお願いします。
Posted by: こうめ | 2005.01.06 08:20
あけましておめでとうございます。
今年もよろしくお願い致します。
こうめさんの今までのランニング人生読んでて思い出しました。私が初めてこうめさんに誘われた日の事。会社の階段でなにげにタケダファミリーマラソン出場の事を聞き、走ってみない?と誘われた日を。
あの頃のこうめさんったら「なんにも練習しなくてもいいよ~。当日運動靴と走れるカッコしてくればいいよ~。」って簡単に言ってましたね。
まんまとだまされましたよ~。
でも、おかげさまで夫婦共に楽しめる趣味を持つことができました。
今年こそ長沼に遊びに行きます!!!!
Posted by: こずえ | 2005.01.06 09:54
こうめさん、Kuriさん、みなさんこんにちは。
rikoさん、ここに来ると人生狂いますよ〜、気をつけてくださいね。こずえさんも、まんまとダマされたクチなんですねえ。…もう、こうめさんときたらあっちこっちで、ランニング教の布教活動をしてるんだから。(走るのは楽しいけれど、洗脳されてウルトラは走れません!まずは「フル」ですよ…)
Posted by: navi | 2005.01.06 13:04
28年とはヨクゾご無事でランニングと続けられましたね。そのくらいの年月になると山あり谷あり。さすが!
Posted by: shimo | 2005.01.06 17:47
28年ですか・・。これからのランニング生活を考えると今フルマラソンなら何km地点でしょう?たぶん、こうめさんのことなら、まだ折り返し地点前でしょうね。体が温まって、今日のレースの調子が見えてきた頃?これからもひよっこの私を先導してください(^^)
Posted by: まさ | 2005.01.06 18:23
こずえさん。そうですねえ。思い出します。あの頃のあんちゃんはまだそんなに速くなくて私とどっこいどっこいだったのに・・・。今はすっかり快速ランナーだし。こずえさんも走るようになったし。布教活動成功だ!
shimoさん。どうやら丈夫な体のようで。ホノルル前に膝を痛めて以来故障らしい故障はしたことがありません。ありがたい事です。
まささん。マラソンって結構年配の方も走っていらっしゃるのでまだまだいけると思っています。
私が最初に走り始めた頃からレースでお見かけする方がいまも大勢いらっしゃいます。みなさんお元気そうです。タイムを気にしなければ結構なばあちゃんになっても走れるかな。
naviさん。走り始めたrikoさんに変なこと言っちゃだめよ~。何かの新興宗教の教祖様だと思われたら困ります。
たしかKuriさんは、洗脳されてウルトラ走ったんじゃなかったかな~?
Posted by: こうめ | 2005.01.06 21:54
えええぇ~?こうめさんって新興宗教の教祖様だったんですかぁ?((((^-^;
naviさん、せっかくご忠告頂いたんですけど・・
時既に遅し、はまっちゃいました。
こうなったら、カメさん走りながら、今年から
ランニングしますよ!
他のみなさんもどうぞ宜しくです。
Posted by: riko | 2005.01.06 23:59
こうめさん,こんにちは。
しっかり最後まで読ませてもらいました。(スキーにいっていて読むのが遅れた)
ふーん,復活ってそうだったんだ,と思いながら読んでいました。
私も頑張らなくてはと思ってしまいました。
Posted by: chama | 2005.01.07 16:15
chamaさん、お帰りなさい。スキー行ってきたんですか!私はまだ初すべりしていません。
復活・・・そうなんです。なんといっても一番大変だったのは、「うつ病」です。出口のないトンネルに入ったような気がしたものです。
でも、自分でたぶんそうだろうと思ってさっさと病院に行って薬もらって飲んだのでおかげさまで軽いうちに治ったようです。
今は治ったから言えるのかもしれないけれど、精神科/神経科に診てもらうのをためらっちゃだめですね。
Posted by: こうめ | 2005.01.07 16:57
今頃コメントをつけると、巡回をサボっていたのがばればれですね(笑)。
40歳目前から走り始めた私は今年でようやく7年目。でももうこの世界にはどっぷりはまっていまして、抜けることはできなくなってます。
私もようやく昨年あたりからカミングアウトできるようになりましたが、うつ病のつらさっていうのはなってみなきゃわからない部分ってありますよね。ただ私の場合も自分から異変に気づいて病院へ行ったことが良かったのかもしれません。
結局私の場合は、入院、通院しても劇的な症状の改善は見られなかったのですが、走り始めたとたんに治ってしまったということで、ますますランからは離れられません(笑)。
途中1度再発しかかった時期もあったのですが、このときも突然走りたくなくなったので「こりゃおかしいぞ」と気づき、早期に病院へ行くことができました。
さて、今年は少しでもこうめさんの背中を見ることができるように、頑張りますね。
Posted by: Ogaman | 2005.01.12 07:11
Ogamanさん、今年もよろしくお願いしますね。
なかなか自分から病院に行くというのは難しいのかもしれないですね。自分はそんな病気にはならないと病気を認めたくない場合も多いようですし。
これからは、走りたくなくなったらおかしいと思えばいいから、ある意味簡単ですね!
お互い心身の健康の為に楽しく走りましょう。
私の背中?!とんでもない。ハーフではOgamanさんの背中も見えない状態ですよ。
Posted by: こうめ | 2005.01.12 07:17
こうめさん、初めまして
古い記事へのコメントでごめんなさい。
shimoさんのブログから知って,
読ませてもらっています。
こうめさんも、うつで苦しんだ時期があったんですね。
しかも、そこからの見事な復活。
勇気づけられました。
僕も現在、うつで通院中で、多分回復期に
あります。
ブログのタイトルに負けないように
こうめさんのようにランナーとしての
復活を遂げたいです。
Posted by: うっちー | 2007.09.28 11:04
うっちーさん。
大丈夫、ちゃんと復活できますって。
いつまでに~とか決めないでボチボチやってください。
Posted by: こうめ | 2007.09.28 21:31